20代に贈る、お金との新しい付き合い方
社会人としての第一歩を踏み出した20代。
期待と不安が入り混じるこの時期に、特に大きな心配の種となるのがお金の問題です。
仕事、結婚、子ども、両親の介護、そして自らの老後と、人生にはお金が必要な場面がたくさんあります。
しかし、その全てを考えると、先行きの見えない不安が募ります。
そんな20代の若者にとって新しい視点を提供してくれるのが、ライフネット生命会長の出口治明氏が手掛けたお金入門書です。
この一冊は、「知る」「使う」「貯める」「増やす」「稼ぐ」という5つのステップで構成されており、まったく新しいアプローチでお金の世界を切り開いています。
お金の不安を徹底的に理解する「知る」編
本書の第1講「知る」編では、読者が抱くお金に関する漠然とした不安の根源を探ります。
そもそも、なぜ私たちはお金に対して不安を抱くのでしょうか。
その答えは、経済環境の変化と情報の氾濫にあると言えるでしょう。
生まれた時から経済が安定していた時代を知らない私たちは、また十代の頃に経験したリーマン・ショックや度重なる就職氷河期の影響で、経済的な不確実性を常に感じています。
本書は、こうした状況をしっかりと理解し、前向きに捉えるための知識を提供します。
お金の知識はその不安を打ち消し、正しく現状を理解するための武器となります。
お金の使い方で人生を豊かにする「使う」編
お金の使い方ひとつで、その人の人生は大きく変わります。
第2講の「使う」編では、お金の使い方が幸福感にどのように影響を与えるかについて深く掘り下げています。
実際、貯金額の多寡ではなく、何にお金を投入するかが幸せを左右します。
自分の価値観に根付いた使い方こそが、人生を豊かにするものです。
自己成長や経験にお金を使うことで、心の満足感を得ることができ、無駄遣いや無計画な消費を避ける手助けになるでしょう。
この章では、壮大な夢や目先の欲望に惑わされず、現実的かつ効果的なお金の使い方を指南しています。
貯金の本当の意味を考える「貯める」編
貯金は一種の安心感をもたらしますが、その貯め方や動機に問題があると本当の安心感は得られないこともあります。
第3講「貯める」編では、不安に駆られた貯金が実は不安を増す要因になることを指摘しています。
貯金の目的を明確にし、長期的な視野を持って計画的に貯めることが、真の安心をもたらします。
著者が提示する「財産三分法」は、シンプルでありながら効果的な財産管理術です。
これは、多くの人が陥りがちな漠然とした貯金の罠から解放してくれます。
この編を読むことで、何に備え、どのように貯めるべきか、具体的なビジョンが見えてくるでしょう。
未来を開く投資のあり方「殖やす」編
投資と聞いて難しそうだと感じる方も多いでしょう。
しかし、著者は第4講「殖やす」編で、初心者でも挑戦できる確実な投資方法を提示しています。
重要なのは、短期的な利益を追求するのではなく、長期的な視野を持ってコツコツと続けることだとされています。
確実なリターンを生むためには、リスクを理解し、そのうえで適切なリスク管理を学ぶ必要があります。
また、投資に失敗することを恐れて何もしないことこそリスクであると、本章は伝えています。
自分の未来を切り開くために長期投資に挑戦し、希望を育むきっかけとすることで、未知の経済的な不安を軽減することができるのです。
自由は働くことから生まれる「稼ぐ」編
第5講「稼ぐ」編では、働くことと自由がどのように結びついているのか、その根本に迫っています。
仕事はただ生活の糧を得るためのものと捉えがちですが、それが自己の成長や何よりの幸せと感じられるならば、人生の質は大きく変わります。
この章では、働き続けることがなぜ自由につながるのか、働くことの意義を説きます。
自分に適した仕事を続けることで安定した収入を得て、また新たな収入源を模索することで、自由な時間を増やすことが可能となります。
そんな人生設計を描く方法も、対話形式で自然に身につけることができます。
お金の不安から解放されるために
お金の問題は、社会人として避けては通れない一生の課題です。
本書を通して、自らの経済的未来をどう描くのか模索することで、不安を抑え、多様な選択肢を持ちながら自由な人生を追求することができます。
出口治明氏が提供する新しいお金の視点と、「知る」「使う」「貯める」「増やす」「稼ぐ」という5つのステップは、20代の若者が経済的な不確実性に打ち勝ち、未来の可能性を広げるための強力なサポートとなるでしょう。
著者名: | 出口治明 |
出版社名: | ポプラ社 |
ISBNコード: | 9784591147948 |
発売日: | 2016年01月08日頃 |