魅力を深掘り!「ふつう」を知ることで絵が上手くなる方法
絵が上手い人や絵を生業にしている人が口にする「ふつう」とは何か。
それを知ることができる一冊が、イラストレーター・よー清水が執筆した「みんなが知りたい『ふつう』を深掘りします」です。
ゲームやアニメに心を動かされたときに感じる感動や、自分も絵を描いてみたいといった興味から生まれる様々な疑問に、この本は答えてくれます。
そこで今回は、本が取り扱うテーマを通して、絵の「ふつう」の魅力を探っていきましょう。
絵を描き始めたい人への実践的ガイド
絵を描き始めるにあたり、最初のステップは、まさに大きな壁と感じる人が多いでしょう。
この本の第1部「絵を描き始めたい」では、初めての人が絵に親しむための実践的な方法を紹介しています。
第1章「グリッド模写で絵を描く楽しさを知ろう」では、グリッド模写という手法を通して、描く楽しさを身につける方法を学べます。
グリッド模写とは、絵をグリッドに分けて描き写していく方法で、バランス感覚や観察力を鍛えるのに役立つ技術です。
さらに、第2章「デジタルの色塗りを試してみよう」では、紙に描く伝統的な方法だけでなく、デジタルアートの世界にも足を踏み入れます。
デジタル画材による色塗りは、絵の幅を広げ、好きな色やスタイルを試すことで表現の可能性を高めます。
この本を通読することで、何をしたらいいのか分からない初心者でも、興味を持ち始めるポイントが明確になり、自信を持って絵を描き進める第一歩を踏み出せます。
技術と共に育む観察の重要性
絵を上達させるためには、観察が欠かせないと言いますが、そもそも観察とはどのようにするものなのでしょうか。
この本の第2部「絵が上手くなりたい」は、観察の仕方や、それに基づいた技術向上の方法を詳細に解説しています。
観察力が絵を描くうえで重要な理由と、その技術がどのように作品のクオリティを上げるのかを学ぶことができます。
例えば、第4章「単純観察と分割観察 – 立体が表現できている絵」では、物をそのまま見るのではなく、どのように構成し直して捉えるべきかを説明しています。
単純な形を見つけ、それを分割していくことで、より立体感のあるリアルな絵を描くための手法を学べます。
実践的なアドバイスを通じて、観察の重要性を理解し、それを絵に活かす方法をしっかりと学べます。
伝えたいことをどう絵にするか
絵を描く上で、単に技術的なスキルだけでなく、自分が伝えたいことをどのように絵で表現するかも大きなテーマです。
第6章「共感の作り方 – 伝えたいことが伝わる絵」や第7章「構図の決め方 – 伝えたいことが伝わる絵」では、自分の伝えたいメッセージを絵の中で如何に効果的に表現するかに焦点を置いています。
メッセージがしっかりと受け手に伝わるようにするためには、構図や色使い、視点など、数多くの要素が絡んでくるものです。
この本を通じて、ストーリー性や情感を効果的に表現するためのポイントを学ぶことで、見る人に共感してもらえる絵を描く方法を深く掘り下げて理解できるでしょう。
仕事としての絵を描くこと
絵を職業とすることを夢見た場合、単に絵を描くことの上手さだけではなく、ビジネスとしてどう成功させるかも重要です。
そしてそれが、第3部「絵を仕事にしたい」に凝縮されています。
この部では、第9章「イラストレーターになるまでに考えたいこと」と第10章「フリーランスのイラストレータとして生きる」といったテーマを通じて、絵を職として成り立たせるための主要な要素に迫ります。
例えば、営業や自己ブランディングの重要性は、意外と見落とされがちな部分です。
これらスキルを向上させることにより、仕事の幅が広がる可能性についてや、自分らしさをブランディングして市市場価値を上げる方法を学ぶことができます。
また、フリーランスとしての営業方法や仕事を得るコツ、安定した収入を得る手段についても、実体験をもとに具体例が交えられていて非常に参考になります。
絵を描くことの意味を再認識する
よー清水の「みんなが知りたい『ふつう』を深掘りします」は、絵を描く喜びや学びの難しさ、一つ前に進むために必要なステップを明確にすることができる一冊です。
200ページにわたるこの本は、絵を描くことの意義を再認識させ、何よりも描くことを楽しむ気持ちを引き出す内容です。
絵を仕事にしたい人も、ただ趣味として楽しみたい人も、たくさんの気づきと、新しい視点を得ることができるでしょう。
「ふつう」がしっかりと理解できれば、上手くなるための方法も自ずと見えてくるものです。
この本が提供する数々のテクニックや知識、そして、現代的な視点を元にした実践的なアドバイスは、これから絵を描きたいと考えている人や、より上を目指すイラストレーターにとって、確実に役立つこと間違いありません。
イラスト技法書の魅力を総括
絵を極めようと思うなら、何が「よく見て描く」という意味なのかを知ることは不可欠です。
そのために、よー清水の「みんなが知りたい『ふつう』を深掘りします」は、初心者からプロを目指す人まで、多くの絵を描きたいという欲望を満たす、そして新たなモチベーションを与えてくれる素晴らしい一冊です。
多くの方にこの本を手に取っていただき、その可能性を自身で実感してもらえればと願います。
どんなレベルの疑問にも答え、豊富な作例と共に新たな技法や視点を提供してくれるこの本を通して、絵を描くことの奥深さ、そしてその魅力をさらに多くの人に伝えていきたいです。
技術が重要なのはもちろんですが、伝えたいことが何なのか、どうやって心を込めて描くのかを学び、生涯にわたる趣味、もしくは職業として活かしてみてください。