山の魅力はその大自然の美しさにありますが、多くの人が「山は儲からない」と信じ込んでいます。
しかし、この考え方を覆す機会が今、私たちの前に広がっています。
農文協の「山は儲からない」は思い込みという新しい一冊が、私たちが抱いている固定観念を打ち破り、山の可能性を最大限に引き出す方法を詳細に解説しています。
チェンソーの選び方から、安全な伐倒法、間伐の基本、到搬出の技、山の境界を探すコツ、さらには補助金の使い方まで網羅されたこの書籍は、まさに山を資産として活用するための完全なガイドブックです。
どん底から始まった、自伐型林業の試み
自伐型林業の第一線で活躍しているのが、シマントモリモリ団。
彼らは、山という資源を活用して収入を得る術を開発しました。
とりわけ、薪を販売する方法は非常に魅力的です。
斧を使った薪割り、または薪割り機を利用する際の工夫、そして最も重要な薪を乾燥させるためのコツが詳細に説明されています。
これにより初心者でも簡単に薪販売を始められます。
実際に薪を販売する際のコツとして、販売先や価格設定についても詳しく解説されています。
薪での収益化: 可能性とコツ
薪を売るなんて夢のまた夢――そんな考えで諦めている人も少なくありません。
しかし、薪はエネルギー資源としての価値が再認識されており、需要は増加しています。
この本では、薪販売で最も大切な乾燥の方法に加えて、保管時の注意点も解説されています。
それにより、質の高い薪を安定して提供することが可能になります。
さらに、地域の販売先をどのように探し、価格を設定するかによって、より高い収益が見込めます。
これらの知識があれば、「山は儲からない」と思う必要はありません。
木質バイオマス発電所での新たな可能性
経済的な理由で放置されがちな短木や小径木、それらも実は活用される場が広がっています。
近年、環境にやさしいエネルギーとして木質バイオマス発電所の需要が高まり、そこではこれらの木材が大量に必要とされています。
自分で山を管理し、チェンソーを使いこなせるようになれば、こうした木材も収益化するチャンスが広がります。
人に任せた場合の価格と自分で管理した場合の価格の違いを理解することで、より具体的な収支見込みを立てることができるでしょう。
チェンソーを使いこなして、山の資源を活用する
分かりやすいチェンソーの活用法は、本書のもう一つの特徴です。
適切なチェンソーの選び方から、エンジン始動の基本、姿勢や持ち方についても詳述されています。
伐倒や玉切りのコツ、さらには刃を研ぐ際の注意点についても触れられており、それまでハードルが高いと思い込んでいたアクティビティが、実は非常に実用的であることを理解できます。
これらのスキルは、自分の手で山を管理する際に欠かせません。
林業の基礎知識を学び、山の価値を最大化する
自分の山が持つ可能性を引き出すためには、まずその山の基礎情報を理解する必要があります。
この本では、山の境界を特定するための方法を詳しく解説しています。
境界線を明確にすることで、より効率的に山を管理し、自伐型林業に特化することが可能です。
そして、間伐の必要性や時期、その目安についても情報が提供されており、山を健康に保ちながら利益を上げる方法を学ぶことができます。
運搬道具や機械の活用で効率的な山管理を
山から伐採した木材を運び出すためには、道具や機械の巧妙な活用も必要です。
この本では、アルミブリッジや滑車の使用方法、トラクターでの集材や積み込み方法についても詳細に説明されています。
これらの知識を身につけることで、作業効率を大幅に向上させることができ、結果的に収益性を上げることが可能になります。
手作業でも多くの材を搬出できる方法や、機械を使った効率的な搬出法を知ることで、自伐型林業の成功に一歩近づけます。
この書籍は、農山漁村文化協会から発売され、林業に興味を持つ初心者から、すでに経験豊富な人まで、幅広い読者層に向けて価値ある情報を提供しています。
“山は儲からないという思い込み”を打ち砕くこの一冊は、驚くべき発見と新たな挑戦の糧となることでしょう。
